IRA=アイルランド共和軍の内務保安部長、ヴィクター・マクガワン。彼はその冷酷さから、組織の殺人マシーンとして出世してきた。
1984年、ベルファストのバーにて、ヴィクターはIRAメンバーであるアハーンが敵に情報を漏らした疑いをもち、探りを入れる。尋問は、司令官のペンダー、バーテンダーのバーマンを巻き込んで、エスカレートしていき……。
'85年、メイヨー州の湖畔。ヴィクターは車のトランクから一人の女を連れ出してくる。女は彼の幼馴染であった。彼女が一体何をしたというのか、彼は彼女を手に掛けるため、二人の故郷であるこの湖を処刑場に選んだのだった……。
'86年、ゴールウェイ州の老人施設で、ヴィクターは母親と対面する。痴呆の母は、ヴィクターを夫やほかの兄弟と間違え、乱暴者のヴィクターは大嫌いだったと話す。母の言葉に苛立ちを募らせるヴィクターだが、やがて母は彼にある事実を告げ……。
――これは、ヴィクター・マクガワンの暴力性と悲哀に満ちた3年の歳月と、
暴力が彼自身をも壊していく過程を、三部に渡って辿る“悲劇”である――。

TOP